労働基準法や労働契約法、労働組合法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法には、解雇禁止についての定めがあります。
以下の場合においての解雇は禁止されており、以下のケースで使用者が解雇を行った場合は無効となります。
・労働者の国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇
・業務上の疾病による休業期間及びその後30日間の解雇
・産前産後の休業期間及びその後30日間の解雇・労働者が労働委員会に対し、不当労働行為の救済を申し立てたことなどを理由とする解雇
・労働者が労働基準監督署などに対し、使用者の労働基準法違反や労働安全衛生法違反の事実を申告したことを理由とする解雇
・女性労働者が婚姻、妊娠、出産したこと、産前産後の休業をしたことなどを理由とする解雇
・ハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由とする解雇
・障害者であることを理由とする解雇
・労働者が育児休業、介護休業の申し出をしたこと、または実際にそれらの休業をしたことを理由とする解雇
・個別労働紛争解決促進法に基づく紛争解決援助を求めたこと、あっせん申請をしたことを理由とする解雇
・労働者が労働組合の組合員であることや、組合に加入したり、組合を結成しようとしたことなどを理由とする解雇
使用者は、上記のような解雇禁止に該当しない場合でも、従業員を自由に解雇できません。使用者による解雇は厳しく制限されており、労働契約法上、解雇には「客観的・合理的な理由が存在すること」と「社会通念上相当であること」という2つの要件が必要とされています。これらの要件を満たさない解雇は無効とされ、使用者は当該解雇により従業員との雇用関係を解消することはできません。
労働契約法第17条には、有期の労働契約においては、契約期間を定めた以上、労働者を途中で解雇することはやむを得ない事由がない限りできないと定められています。契約期間が終了した場合でも、更新が3回以上または1年以上継続して働いている場合において、契約の更新をしない場合には、使用者は30日前までに予告しなければなりません。
しかしながら、実質的に期間の定めのない契約と同等である場合や、雇用を継続することが合理的である場合、客観的・合理的な理由がなく社会通念上相当でない場合、雇止めができないとされます。その場合、従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されます(労働契約法第19条)。
引用参考/厚生労働省サイト「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」