就職差別で賠償問題に

就職差別とは

厚生労働省では、採用選考の基本的な考え方として以下の2点を掲げています。

・応募者の基本的人権を尊重すること

・応募者の適性・能力に基づいて行うこと

 

応募者に対して、雇用条件・採用基準に合わせて応募できる機会を提供すること、そして応募者の適性・能力に基づいて採用選考を行うことで、公正な採用選考を行うことの基本としています。

 

出典/厚生労働省サイト

 

公正な採用選考の基本

■応募者に広く門戸を開く

求人条件に合致する人であれば、誰でも応募が可能であるということです。採用選考において差別を行わず、公平かつ公正に行われることが求められます。「広く門戸を開く」ことによって、就職の機会均等が実現され、多様な人材が求められる職場に集まることができます。

 

■適性・能力に基づいた採用基準とする

「公正な採用選考」を実現するには、「応募者が、求人職種の職務を遂行するために必要な適性・能力を有しているかどうか」という基準で採用選考を行うことが重要です。

本籍地や家族の職業など「本人に関係のない事項」や、宗教や支持政党などの「本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)は、職務を遂行する能力や適性には関係がないことであり、これらを採用基準にすることは避けるべきです。

 

■適性・能力に関係のない事項を把握しない

適性・能力に関係のない事項は、それを採用基準とするつもりがなくても、応募用紙に記載させたり面接時に尋ねたりすることで、その内容は結果的に採否決定に影響を与え、就職差別につながる恐れがあります。

応募者にとって、採用側が採用基準としないつもりでも、尋ねられた事項が採用選考の基準にされていると解釈される可能性があります。また、それらの事項を尋ねられたくない応募者にとって、尋ねられることによって精神的な苦痛を受けたり、その心理的影響によって面接での実力を発揮できなかったりする場合があり、その結果、その人を採用から除外してしまう可能性があります。

 

引用/厚生労働省サイト

https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html

 

就職差別につながるおそれがある事項

就職差別につながるおそれがある具体的事項として、本人に責任のない事項や、本来自由であるべき事項を、エントリーシート・応募用紙・面接・作文などによって把握することや、身元調査・合理的必要性のない採用選考時の健康診断を実施することなどが挙げられます。

下記項目が就職差別につながる可能性がありますので注意が必要です。

 

1.本人に責任のない事項の把握

・本籍・出生地に関すること

・家族に関すること

・住宅状況に関すること

・生活環境・家庭環境などに関すること

 

2.本来自由であるべき事項の把握

・宗教に関すること

・支持政党に関することの把握

・人生観・生活信条などに関すること

・尊敬する人物に関すること

・思想に関すること

・労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること

・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

 

3.採用選考の方法

・身元調査などの実施

・本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用

・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

 

引用/厚生労働省サイト