テレワークにおけるメンタルヘルス対策

テレワークにおけるメンタルヘルス対策

 

新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークが一気に広がりました。

しかし、テレワークにはメリットだけでなく、デメリットもあります。

テレワークでは、自宅での作業が増えるため、仕事とプライベートの境界線が曖昧になり、仕事時間が増えたり、プライベートの時間が確保しにくくなったりすることがストレス要因となる場合があります。また、自宅での作業では、同僚や上司と直接顔を合わせることができないため、孤独感や社会的孤立感が生じることがあり、コミュニケーションの不足がストレス要因となる場合もあります。さらに、家庭内の環境の変化や情報セキュリティの不安などもストレス要因となります。

こうしたストレスが蓄積されると、従業員のメンタルヘルスが悪化し、うつ病や過労などの健康問題を引き起こすことがあります。

そのため、企業は従業員のメンタルヘルスに対して適切な対策を講じる必要があります。企業は、従業員のメンタルヘルス対策を行うことで、労働生産性を向上させ、従業員の健康維持にもつながるとされています。

 

テレワーク下におけるストレス要因

1.テレワークにおける孤独感とコミュニケーション不足によるストレス

顔を合わせる機会が少ないため、社員同士のコミュニケーションが不足し、孤独感を抱く社員が増えることがあります。また、メンタルの不調に気付きにくくなるため、社員のメンタルヘルスが悪化するリスクも高まります。

顔を合わせることで起こる雑談がなくなることで、社員同士の距離感が生じる場合もあります。

このような状況では、仕事へのモチベーションが低下し、生産性が落ちることもあるため、コミュニケーションの機会を増やすことが重要になります。例えば、オンラインでのミーティングやチャットツールを活用することで、社員同士のコミュニケーションを円滑にすることができます。

また、社員のメンタルヘルスを支援するために、ストレスチェック制度の活用やメンタルヘルスケアを推進するための教育研修・情報提供などの予防策を講じることも必要です。

テレワークは業務効率の向上につながることが多い一方で、メンタルヘルスケアが不十分だと生産性が低下するリスクがあるため、適切な対策を講じることが求められます。

 

2.運動不足の問題

テレワークの導入によって、通勤がなくなることで運動不足になるリスクが高まります。特に在宅勤務の場合は、自宅内での作業が中心になるため、運動不足になりやすいです。

在宅勤務の初期には、通勤時間が省け、自由な時間が増えることでストレスを感じにくく、快適に感じる人が多いです。しかし、運動不足が続くと、心身の健康に悪影響を与える可能性があります。

運動不足によって、気分が落ち込んだり、倦怠感に悩まされたりすることがあります。通勤には負担がある一方、適度な運動をする機会があります。テレワークの導入によって、運動量が減少してしまった場合は、運動不足を補う方法を検討する必要があります。例えば、定期的なストレッチや運動、外出する時間を確保するなどの方法があります。

 

3.人事評価の不透明さへの不安

テレワークを実施すると、部下の働きぶりを評価するのが難しくなることがあります。これは、会う機会が少なくなるため、仕事にどんな表情・姿勢で取り組んでいるのかが見えにくくなるからです。

このような状況では、評価される社員も「適切に評価されているんだろうか」という不安を抱えてしまうことがあります。不安が募ると、評価制度に対する不信感を抱き、「きちんと評価されないなら真面目にやっても損するだけ」と考えるようになることもあるでしょう。

このような考え方から、仕事に対する情熱を抱きにくくなり、生産性の低下につながることもあります。そのため、テレワーク時の人事評価の仕方について見直しを行うことが重要です。

例えば、定期的にメールやビデオチャットなどでコミュニケーションを図ることで、部下の働きぶりや意見を把握することができます。また、目標管理制度を導入し、目標達成度に応じて評価を行うことも一つの方法です。テレワークにおいても、適切かつ公正な人事評価を行うことが、社員のモチベーシン維持につながります。目標管理制度を導入することで、社員は自身の目標達成に向けて積極的に取り組みます。また、目標管理制度には進捗状況を定期的に報告することが求められるため、管理者は社員の状況を把握しやすくなります。このように目標管理制度を導入することで、社員と管理者のコミュニケーションも促進されます。適切かつ公正な人事評価を行うことで、社員は自分自身が会社に貢献しているという実感を持ち、テレワークにおいても高いモチベーションを維持できるのです。

 

4.仕事とプライベートの切り替えの難しさについて

テレワークでは、仕事とプライベートの線引きが曖昧になりがちであり、切り替えが難しいという問題があります。

例えば、在宅勤務の場合には、自宅で仕事をしているため、プライベート空間で仕事をしていることになります。このように、場所によって仕事とプライベートが混ざり合ってしまうため、切り替えがうまくできずに集中力が低下し、ストレスの原因になることがあります。

また、集中力が低下すると、ミスが増える可能性もあるため、「今までできたことができなくなった」といった喪失感を抱く社員もいるかもしれません。

このように、テレワークにおける仕事とプライベートの切り替えの難しさは、社員のメンタルヘルスに悪影響を与える恐れがあります。

こうした問題を解決するためには、社員が仕事に集中しやすい環境を整える工夫が必要です。例えば、仕事部屋を設ける、定時に仕事を終えるなどのルーティンを作ることが有効な対策となるでしょう。

テレワークにおけるメンタルヘルス対策のポイント

企業ができるメンタルヘルス対策をご紹介します。

 

相談窓口の設置

メンタルヘルスケアにおいて重要なのは、相談できる環境を整えることです。

相談できる相手がいることで、ストレスを軽減できる場合があります。

ストレスの原因を直接的に取り除くことが難しい場面も多く、具体的な施策を実施するまでには時間がかかることもあります。

しかし、相談窓口があれば、ストレスを軽減しながら対策を進めることができます。

相談していることが他の社員に知られないようにすると、より社員が相談しやすい環境を作ることができます。また、相談窓口には専門的なアドバイスをするスタッフを配置することも考慮しましょう。

 

定期的な面談の実施

面談を実施することは、テレワークにおいても非常に重要なコミュニケーション手段です。在宅勤務では、社員同士のコミュニケーションが減少し、孤独感やストレスがたまりやすくなってしまいます。

 

定期的に面談を行うことで、社員が「自分を見ている人がいる」という認識を持つことができます。これは、人事評価に対する不信感を払拭するためにも非常に有効な手段です。

また、面談を行う上司側としても、社員の様子を定期的に確認することができます。業務の進捗状況や問題点を把握し、適切な指示を出すことができます。さらに、面談の場で得た情報は人事評価の材料としても活用できます。

面談の定期実施によって、社員と上司の信頼関係を深めることができます。そのため、企業は積極的に面談を実施することで、社員のメンタルヘルスケアに取り組んでいくことが重要です。

 

コミュニケーションの時間を取り入れる

コミュニケーションできる環境を整えることは、テレワークにおいてコミュニケーションを促進するために重要なポイントです。

しかし、仕事の連絡や業務に関する連絡が多いため、雑談の機会が少ないという状況が起こりがちです。

そこで、社員同士が気軽に雑談できる環境を整えることで、社員同士のコミュニケーションを促進し、仕事の生産性向上につなげることができます。

また、雑談によって社員同士の結束力を高め、より良い職場環境をつくることができます。

具体的な方法としては、テキストチャットで雑談ルームを作ることや、昼休みにランチをしながらビデオ通話をつないで話すことなどが挙げられます。

また、朝礼や夕礼の際に「最近あった嬉しかったことを話す」などのトピックを与えて雑談を促すことも効果的です。

雑談は孤独感を軽減するため、メンタルヘルス対策にもなります。

 

社員研修

テレワークの導入で不公平感が募ってしまうことによるストレスについては、社員研修が効果的です。

社員研修にてテレワークのメリットや導入目的などを社員に周知することが大切です。

部署ごとに導入範囲が異なることに対する理解を得ることができます。

また、「テレワークはサボりやすいのでは?」といった誤解を払拭することで、テレワークできる人とできない人との不公平感を軽減できます。

研修は管理職に対しても行うことで、テレワーク下での管理業務の進め方で大きなストレスを抱えるのを防ぐことができます。

社員にとっても、慣れないテレワークは不安を感じやすいものです。

自社の業務の進め方について明らかにしてレクチャーすることで、社員のストレスを減らすことができます。

研修は一度きりで終わるものではなく、継続的な取り組みが必要です。

社員からのフィードバックを集めたり、改善点を洗い出したりすることで、より効果的な研修を実施しましょう。

 

作業環境の整備に投資

テレワークでのプライベートと仕事の切り替えについては、作業環境の整備が大切です。

仕事専用のスペースをしっかりと確保し、仕事に関係のないものが視界に入らないようにすると集中力を保ちやすくなります。

また、スムーズに業務を進められるように通信環境を整えることも忘れないようにしましょう。

導入初期では社員は作業環境の整備に出費することになります。

テレワークを導入しない部署の社員はこういった出費が不要なため、不公平感の原因にもなり得ます。

企業が作業環境の整備について手当を支給すれば、経済的負担への不公平感を軽減できますよ。

そのほか、集中できる作業スペースの作り方をマニュアル化して社員に周知するのも効果的です。

さらに、デスクやイスなどのオフィス用品の貸し出しや、サポートデスクの設置などを行うことで、社員の作業環境を整えることができます。

また、社員自身がメンタルヘルス対策を行えるように、エアコンの設定温度や室内照明の調整方法なども提供してみるのも良いでしょう。

これらの取り組みにより、社員の作業効率や生産性を向上させ、同時にメンタルヘルス対策にも繋げることができます。

 

従業員自身ができるメンタルヘルス対策

運動習慣を身につける

テレワークでは、運動不足になりがちであるため、生活の中で運動する時間を確保するようにしましょう。

運動を取り入れる方法の1つは、通常勤務時にかかる通勤時間に散歩をすることです。

散歩は全身を使えるだけでなく、外気に触れることで気分転換にもなります。

通勤と同じ感覚で過ごすことで、仕事モードへの切り替えもしやすくなるでしょう。

また、仕事の合間に簡単なストレッチをすることで、集中力が途切れた際に休息をとることができます。

 

PCから離れて休憩時間をとる

テレワーク中の適切な休息方法は、デジタル画面から離れることです。

テレワークにおいては、作業の大半がデジタル画面を見ながら行われるため、休息中も同じ環境に身を置いていると、目の疲れやストレスの原因となってしまいます。

休息時間に動画や漫画を見ることもあるかもしれませんが、デジタル画面に長時間集中すると、目の疲れ以外にも身体的な疲れやストレスがたまってしまいます。

テレワーク中の休息時間は、人と話したり、外に出て新鮮な空気を吸ったりすることで、心身ともにリフレッシュすることができます。

また、軽いストレッチや筋トレを取り入れることで、運動不足解消にもつながります。

休日も同じように、デジタル画面から離れて過ごすことで、リフレッシュ効果が高まります。

 

テレワークを行う作業スペースの確保

テレワークにおいて、効率的な業務を行うためには適切な作業環境の整備が必要です。

自宅で仕事をする場合、プライベートのスペースでも集中できる環境を整えることが大切です。

自分専用の部屋がある場合は、仕事に集中できる空間を作り上げましょう。

しかし、部屋がなかったり、スペースが限られている場合には、仕事専用のスペースを設けるという方法もあります。

仕事と関係のないものが視界に入らないように注意し、壁に向かってデスクを置くという方法も効果的です。

また、デスクやチェアの高さのバランスを調整することで、デスクワークの疲労を軽減することができます。

会社からの手当がある場合には、手当を活用しながら作業環境を整えることも重要です。

さらに、家族にテレワークについて説明し、生活音に配慮してもらうことで、より良い作業環境を整えることができます。